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Samba は軽量なデータベース Trivial Database (tdb) を利用する。一時的や 永続的なデータをそこに格納する。 一部の tdb ファイルは Samba を再起動する前に破棄できるが、その他は Samba の設定や振る舞いにとって重要な情報を格納するために利用される。 Samba のインストールについてよりよい管理を摸索している 管理者の助けとなるように下記の情報は提供される。
OSとともに商用ディストリビューションにSambaをパッケージする場合とアプライアン スの場合、十分に注意するとよいだろう。 tdb ファイルは破損することがあるため定 期的にバックアップするべきである。適切なタイミングはシステムシャットダウン(バ ックアップ)とスタートアップ(バックアップからのレストア)である。
Samba 4.1以降、'use ntdb' が設定された場合、NTDB形式が使われる。この場合、tdbファイルは 自動的に(.ntdb拡張子を着けて) ntdb ファイルに変換される。古い .tdb ファイルは、 間違って使われることを防ぐ為に、'This is now in an NTDB'へのシンボリックリンクになる。 以下の表は、どのデータベースが、現在NTDBファイルで有効かを示す。Table 39.1. Samba の Trivial Database ファイル
ファイル名 | 要保存 | NTDB | 説明 |
---|---|---|---|
account_policy.tdb | 要 | N | たとえばパスワード有効期限などのようなNT アカウントポリシー 設定など。 |
brlock.tdb | 不要 | N | バイトレンジロック。 |
browse.dat | 不要 | N | ブラウズリスト - 自動的に再構築される。 |
connections.tdb | 不要 | N | 各共有への接続。最大接続数までに制限するためなどに利用される。 |
gencache.tdb | 不要 | N | 汎用のキャッシュ用データベース。 |
group_mapping.tdb | 要 | Y | グループマッピング情報を格納する。LDAP バックエンドを利用する際には使わない。 |
lang_en.tdb | 要 | Y | 使用する言語のエンコーディング情報を格納する。 |
locking.tdb | 不要 | N | 共有モードと oplock 情報を格納する。 |
login_cache.tdb | 不要 | N | パスワードの失敗のログを保管する。 |
messages.tdb | 不要 | N | Samba 内部メッセージングの追跡に使用する。 |
netsamlogon_cache.tdb | 要 | N | ドメインメンバーからのリクエストnet_samlogon() からのユーザー net_info_3 構造体のキャッシュ。 |
ntdrivers.tdb | 要 | F | インストールされたプリンタードライバー情報を格納する。 |
ntforms.tdb | 要 | Y | インストールされたプリンターのフォーム情報を格納する。 |
ntprinters.tdb | 要 | Y | インストールされたプリンター情報を格納する。 |
printing ディレクトリ | 要 | Y | キャッシュされた lpq 出力のプリントキュー毎の tdb ファイルを含むディレクトリ。 |
registry.tdb | 要 | Y | Windows レジストリスケルトン(regedit.exeを経由して接続)。 |
sessionid.tdb | 不要 | N |
|
share_info.tdb | 要 | N | 共有レベルの ACL 構成設定を格納する。ACLの既定値は 全員 - フルコントロールである。 |
unexpected.tdb | 不要 | N | 発信リクエストとは異なるポートへ返信する Windows クライアントを サポートするため予期せぬパケットのキュー。 |
winbindd_cache.tdb | 不要 | N | Winbind のユーザーリストのキャッシュ。 |
winbindd_idmap.tdb | 要 | N | Winbind の ローカル IDMAP データベース。 |
wins.dat | 不要 | N |
|
wins.tdb | 要 | N |
全ての WINS データのための作業用の永続的なストレージ。 |
secrets.tdb | 要 | Y |
この tdb ファイルは内部設定を格納する、例えば machine/domain SID、
LDAPと共に使われる秘密パスワード、machine 秘密トークンなど。
これは安全な場所に格納される必須ファイルである。ベンダーはこの
ファイルを様々なフォルダーに配置する。 |
schannel_store.tdb | 要 | Y | SMB 署名と共に利用されるセキュア channel アクセストークン情報を格 納する。 |
passdb.tdb | 要 | N | tdbsamパスワードバックエンドを利用する場合、Samba の SAM アカウン ト情報を格納する。 |
tdbbackup
ユーティリティは samba の tdb ファイルをバック
アップすることに使うツールである。
Samba の起動の前または正常稼働中に tdb ファイルの完全性を診断することにも
利用することができる。
ファイルにダメージを見つけると以前のバックアップを探す。ダメージを受けた
tdb ファイルのバックアップファイルがリストアされる。
tdbbackup
ユーティリティは、いつでも安全に実行できる。
Samba が実行中であっても、どんな時でも tdb ファイルの完全性が確認できるよう
に設計された。
Samba サーバー上では Samba のスタートアップスクリプトの一部分としてすべての tdb ファ イルをバックアップすることが推奨される。 以下のコマンドシンタックスが利用できる:
myserver# > cd /var/lib/samba myserver@ > tdbbackup *.tdb
既定の拡張子は.bak
である。
tdbbackup -s 'new_extension' *.tdb
とスタートアップスクリ
プトで実行することで他の拡張子を指定することができる。