影鷹 - ドキュメント - ビルド方法

概要

影鷹は Apache Ant を利用してビルドします。もし、Ant についてよく分からなければ、インターネットで検索すれば沢山ドキュメントが出てきます。今回はすでに用意されているものをビルドするだけなので、Ant をダウンロードして解凍した後、環境変数 ANT_HOME を設定するだけです。それと、PATH にも通しておいた方が便利でしょう。

ソースを入手した後は、build.properties というファイルを用意する必要があります。それさえ準備できれば、あとは ant コマンドでビルドするだけです。

必要なソフト

影鷹のビルドに必要なソフトは以下のものです。

Ant のオリジナルタスクを利用してコンパイルするので、Ant が無いとビルドできません。また、Ant のタスクで正規表現を利用しているので J2SE SDK の 1.4 以上が必要です(他の正規表現ライブラリを利用したり、build.xml を修正すれば、それ以下でもビルドできるかもしれません)。JDK 1.1 は、コンパイル時の bootclasspath に指定しています。どうしても手に入らない場合は、必要有りません。

lha コマンドは、Windows 版の配布パッケージを作成する際に必要です。Windows 用の配布パッケージを作らない場合は必要有りません。lha コマンドは、WinSFX32M が作成出来る(-gw3 オプション)必要があります。個人的には LHA for Win32 を利用しています(これを利用する場合は、ファイル名を lha.exe に変更する必要があります)。

ソースの入手

ソースを入手します。リリースしたパッケージのソースファイルか、CVS リポジトリのいずれからかダウンロードします。CVS についてよく分からない方は、リリースパッケージからダウンロードしてください。

設定

ソースパッケージ(あるいは CVS)をダウンロードし展開した後、ビルドするために必要な設定があります。src 直下のディレクトリ(build.xml のあるディレクトリ)に、build.properties というファイルを作り、その中に JDK 1.1 の classes.zip のパスを指定します。

bootclasspath=/usr/jdk118/lib/classes.zip

build.properties の中に書くのはこの1行だけです。他に指定できるものもありますが、ほとんど指定する必要はありません。詳しくは、build.xml の上の方を調べてみてください。

JDK 1.1 がどうしても手に入らない場合は、ここに classes.zip ではなく、J2SE SDK の rt.jar を指定することも出来ます。場所はたぶん jre/lib/rt.jar です。

ビルド

Ant の設定が終わっていれば、src ディレクトリの下で、次のコマンドでビルドが行われます。

  $ ant

src と同じレベルの位置に build というディレクトリが出来、その中の classes 以下にコンパイルされた class ファイルなどが配置されます。この状態で影鷹ブラウザを起動するには次のようにします。

  $ java -cp ../build/classes net.hizlab.kagetaka.viewer.Loader

動作に問題がないようならば、jar ファイルを作成します。あるいは、CVS にある sample/applet.html を利用してアプレットのテストをする場合も jar ファイルを作成する必要があります。

  $ ant jar

これで、src と同じレベルの位置にある dist 内の lib 以下に jar ファイルが作成されます。

Ant ターゲット

影鷹の build.xml で定義されている Ant のターゲットの簡易一覧です。これ以外にもありますが、直接ターゲットと指定指定してもあまり意味のないものです。パスは、build.xml の存在する src ディレクトリからの相対パスです。

ターゲット名 効果
build デフォルトターゲットで、../build/classes の下にコンパイルを行います。
compile build に近いですが、ビルド番号の更新は行われません。
jar jar ファイルを作成します。
javadoc ソースファイルから Javadoc を利用して API ドキュメントを作成します。
distunix UNIX 用のパッケージファイルを作成します。
distwin Windows 用のパッケージファイルを作成します。lha コマンドが必要です。
distsrc ソースのパッケージファイルを作成します。
dist すべてのパッケージファイルを作成します。distunix, distwin, distsrc をすべて実行したのと同等です。パッケージファイルは、src ディレクトリの上のディレクトリに作成されます。この作成先を変えたい場合は、build.propertiespackage.dir プロパティでディレクトリを指定する必要があります。
clean コンパイルしたものだけを削除します。jar ファイルなどは削除されません。ソース中の public なフィールドやメソッドを変更した場合は、安全のために、これを実行した後にビルドする必要があります。
veryclean ant によって生成したファイルをすべて削除します。基本的に build, dist ディレクトリを削除します。作成したパッケージファイルは削除されません。
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