4 追加サブモジュールの仕様

Galatea DM 1.0に同梱されている追加サブモジュールについて説明する.これらは,PerlおよびRubyで記述されており,改変は容易である.

Galatea DMはこれらの追加サブモジュールを利用している.Galatea DMの改良に伴って,追加サブモジュールに関しても改良や拡張,仕様変更が行なわれる予定である.

4.1 MON サブモジュール (Galatea Monitor)

Galatea DMの補助機能として,Galateaの各種機能をテストできるGUI版Galatea Monitorが提供される.

DMが使用している構成でAMを実行し,Galatea Monitorを用いて各サブモジュールのテストが可能である.

 $ cd /home/demo/galatea-v3.0
 $ cd AM
 $ perl ./AgentManager.pl -C ../DM/Modules/am4dm.conf

Galatea Monitorの画面は,メニューバーと,上下2つのログ表示画面から構成される.

上段: System Log (Syslog)
AMにおける処理のログが記録される.
下段: Application Log (Applog)
DMで実行するコンテンツの指示にしたがってアプリケーション処理に関するログが記録される.

Galatea Monitorの各メニュー項目の機能は以下の通りである.

4.2 SND サブモジュール

SNDは,指定された音声ファイルを再生するサブモジュールである.

このモジュールの仕様は実験的なものであり,将来変更される可能性がある.

SNDは内部処理で/usr/bin/playを使用している.

コマンドset Playの値にファイル名の絶対パスを与える.再生開始と再生終了の時点でtell startおよびtell endを送信する.

List 4.2.1 SND の実行例
 to @SND set Play = /usr/share/sndconfig/sample.au
 From @SND tell start /usr/share/sndconfig/sample.au
 From @SND tell end /usr/share/sndconfig/sample.au

4.3 PAR サブモジュール

PARは,音声合成の出力開始と同期して,複数のコマンドを逐次実行するサブモジュールである.

このモジュールの仕様は実験的なものであり,将来変更される可能性がある.

コマンドset Init = 1は,出力リストの初期化を行なう.

コマンドset Cmd = sleep XXXは,出力リストの末尾に,一定時間のウェイトを行なう命令を追加する.

コマンドset Cmd = to @XXX XXXは,出力リストの末尾に,他のサブモジュールに対する出力命令を追加する.

出力リストの実行は,SSMからのSSMSpeak.stat = SPEAKINGを受信することによって開始する.

List 4.3.1 PAR の実行例
 to @PAR set Init = 1
 to @PAR set Cmd = sleep 1.0
 to @PAR set Cmd = to @FSM set FaceExp = HAPPY 1 100 1000
 to @PAR set Cmd = sleep 1.4
 to @PAR set Cmd = to @FSM set FaceExp = SAD 1 100 1000
 to @PAR set Cmd = sleep 2.0
 to @PAR set Cmd = to @FSM set FaceMot = NOD 1
 to @AM-MCL set Speak = 私には、うれしいことも、悲しいことも、いろいろあります。

4.4 GUI サブモジュール

GUIは,音声認識と併用してユーザにボタンを押すといった操作を行なわせるサブモジュールである.数字ボタンと,値を変更可能な命令ボタン(F1-F8)を備える.

このモジュールの仕様は実験的なものであり,将来変更される可能性がある.

GUIは標準では無効になっている.有効化するにはDM/Modules/am4dm.confを変更すること.

List 4.4.1 DM/Modules/am4dm.conf の変更
 module:GUI commands:cd ../DM/Modules ; ruby ./GUI.rb

コマンドset Textは,テキスト表示部分に表示する文字列を指定する.

コマンドset F1set F2などは,命令ボタンに表示する文字列と,命令ボタンが押された時にGalatea DMに送信する文字列を指定する.

List 4.4.2 GUI の実行例
 to @GUI set Text = message
 to @GUI set F1 = 5分 ゴフン

4.5 SIM および DM-MCL サブモジュール

SIMおよびDM-MCLは,Galatea DMや他の追加サブモジュールの処理を支援する補助的なサブモジュールである.

これらのモジュールは実験的なものであり,完成度が高くなった時点で仕様を公開する予定である.